オンプレとクラウドを比較するとコスト面でクラウドに分があるというような
記述を良くみかけますが、実際のところはどうなのかと気になったので計算してみました。
今回はひとまず物理サーバ1台をAWSに置き換えるとどうなるのか計算してみました。
1.オンプレミスの場合
サーバ金額
DELL PowerEdge R240
CPU:Xeon E-2124 3.3GHz(4core/4T)1
Mem:32GB
RAID1:NLSAS 12Gbps 2.5インチホットプラグ 1TB 7200rpm
NIC:1Gpbs2(onbord)
電源*1
DVD-ROM
消費電力:178W 1.6A(110V)
286860円(税込み)
5年で割り算すると月あたり、
4781円/月
電気代
2681円/月
サクラインターネットDC価格
1/8ラック4U
月額 66,000円
1Uあたり16500円/月
回線
100Mスタンダード 100Mbps 10ユーザ
月額 132,000円
難しいところですが、フロントのWEB4台で共有するとして
4で割り算します。
132000/4=33000円/月
100Mbps/8bit=12.5MB/s
12.5MB/s60sec60min=4.5GB/H
4.5GB/H2430=3240GB/月(100Mbps回線をフルに1ヶ月使用した場合のデータ転送量)
4781円(サーバ)8.3%
2681円(電気代)4.7%
16500円(DCラック代)28.9%
33000円(回線代)57.9%
物理サーバ合計:56962円/月
サーバの代金はたいしたことは無く、
場所代、回線代が高くついていることがわかります。
2.AWSの場合
m5a.2xlarge vcpu8 32GB EBS のみ 最大 10Gpbs 最大 3,500
EBS 1TB
435.32 USD*110円/USD=47885.2円/月
(AWSのvcpuはハイパースレッディングなので物理4core/4Tだと2倍の8vcpuが相当すると考えました)
ネットワーク 1GB 20円(下り)上りは無料
100Mbpsを1/4 1ヶ月使い続けたとして、
20円*3240/4=16200円
47886円(サーバ)
16200円(回線代)
AWS合計:64086円/月
同じデータ転送量なら転送量の単価はAWSの方が物理の半額になっています。
3.まとめ
意外なことにオンプレとAWSではAWSの方が12.5%割高という計算結果になりました。
だだし、AWSの費用には故障機器の交換代金や人件費も込みであることを考慮する必要があります。
オンプレの費用の内訳としては、86.8%がDCの場所代と回線代でした。
AWSの良いところは、単価は多少高くなる代わりに初期費用が不要、使用した分だけ料金を支払えば良いので
無駄が出にくいところでしょうか。
長期での使用やそれなりの規模やスペックならまだまだオンプレに分があるのではないでしょうか。
費用の大部分を主役であるサーバではなく場所代が占めているのは意外でした。
ハードウェアにはお金を掛けても良いのかもしれません。
次は1台だけで無く、システム単位で価格比較をしてみたいと思います。